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食品新製品トレンド記事 この人とマーケティング
8月21日東日本、9月18日全国発売を遂げた「ホロホローネショコラ」は、発売直後の8.9月末の売上が当初目標の140%以上、さらに9月POSデータでも6位(KSP-SP調べ)になるなど、大変反響の大きいチョコレート菓子だ。
ヨーロッパの焼き菓子「ポルボローネ」のネーミングと、“ほろほろ”と崩れるような食感から生み出された造語「ホロホローネ」。
同品の売れ行き好調な要因や製法、さらに明治の開発姿勢について、菓子商品企画部 開発1G 山下舞子氏、菓子マーケティング部 マーケティングG 菊池二郎氏に話を聞いた。
山下 商品をヒットさせるには、ただ店頭に並べるだけでは難しい時代です。あらゆる要因が重なり生み出されます。
今回発売した「ホロホローネショコラ」は、商品のクオリティ、パッケージデザイン、店頭販促そしてTVCMの全てが、我々の描いていたイメージと繋がりました。これが販売好調の最大の要因だと考えています。
流通関係者からも好評でしたが、もしこれがひとつでも欠けていたら恐らくそう高くはなかったでしょう。クオリティ、パッケージデザイン、店頭販促に加え、TVCMとのマッチングが、お客様への訴求力を高めたのだと思います。
山下 同社独自の新製法に対して、とても高い評価をいただきました。
これだけおいしいチョコレートが焼き菓子に入っていること、そしてチョコレートを包む周りの焼き菓子の食感もユニークだと驚かれ、食べた瞬間に「おいしい!」といった声があがりました。
山下 一般的に、焼き菓子の中にチョコレートが詰められている商品は、焼き上がった生地にチョコレートを注入します。ただ、こうした商品には本格的なチョコレートを詰め込むことができないのです。
一方で同品の場合、まず本当においしいチョコレートの玉を作り、そこに小麦粉をかけてから焼成しているため、人気商品の「メルティーキス」と同等のおいしさをお楽しみいただけます。
この製法は『釜がけ製法』といい、「アーモンドチョコ」や「マーブルチョコ」などに応用されている技術です。
通常は生地に、チョコレートを注入した穴が開いているですが、同品にはそれがありません。こうした製法は工業化では初の試みなのです。