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食品新製品トレンド記事 この人とマーケティング
2015年8月に、パッケージも中身もインパクト大の「ザ★チャーハン」が誕生した。男性をターゲットに据えた同品は、冷凍炒飯でも、外食店と同じレベルの満足感を感じてほしいという視点から、『香り』の要素を付加する方向で開発。内容量もパッケージデザインもこれまでの常識を覆し、ヒット商品に繋がった。
その1年4ヵ月後に第2弾となる「ザ★シュウマイ」を投入した。副菜に扱われがちな焼売を、主菜として提案したアイテムだ。
冷食の中でも停滞しているカテゴリーにあえて挑戦した同社。商品特徴や開発にかけた想いを、マーケティング本部家庭用事業部 商品開発グループ 佐々木大地氏に伺った。
佐々木 本シリーズは、「ザ★シュウマイ」投入の前に「ザ★チャーハン」を15年8月に発売しました。冷凍炒飯市場は伸長していたものの、もうひとつインパクトに欠けていると感じていました。他社も含めファミリー層に向けた提案が多く、外食店のような「ガツガツと一心不乱に食らえる」味付けの商品がありませんでした。そこで、より外食店に近づけるために『香り』に注目したのです。
また、弊社の代表商品に「具だくさん五目炒飯」がありそのカニバリを防ぐために、ターゲット層を『男性』と明確に絞り提案する方向で進めました。こうして誕生したのが「ザ★チャーハン」です。その後、「ザ★シュウマイ」とシリーズ化するにあたりシリーズ名を「ザ★」に見直しました。
「ザ★チャーハン」の最大の特徴は、まず第一に『香り』です。その香りの特徴『焦がしにんにくのマー油と葱油が香る』ことで食欲が促進され、焼豚・玉子・葱などのシンプルな具材に、弊社独自の技術を付加することで、コク深く、クセになる味わいを実現しております。
また、商品特徴をパッケージに記載することと、パッケージの色合いも、食品業界ではタブーとされていた『黒』にすることで金文字が映え、店頭での視認性を高めました。そして内容量も600gと最近では見ない多さです。昨今の市場は450gがメジャーですが、弊社調査において一般的に『一人分300g』とされる中、この容量では2回に分けて食べるには物足りない量です。そこで、この基準に合わせて(300g×2回(人)の)600gとしました。これら3つの特徴により既存打破に成功しました。
実際ふたを開けてみると男性のみならず、これまで冷凍炒飯を食べたことがなかった女性からの支持も得ることができただけでなく、冷凍食品を購入していなかった男性ユーザーも獲得し、冷凍米飯市場が前年比136%と底上げを図ることに成功しました。また、炒飯のみならず他の冷食アイテムの購入も進み、冷食市場の発展に寄与できました。