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食品新製品トレンド記事 この人とマーケティング
2017年発売の「KOIKEYA PRIDE POTATO」は発売するも間もなくして、その評判から品薄状態となった。『新生湖池屋』 として原点に立ち、未来へ踏み出す第一歩となった同品だが、そこには前年に就任した新社長 佐藤章氏の手腕に加え担当者らの商品づくりへの熱意が込められていた。
発売から1年を迎え、第二ステージに突入した同品の開発からプロモーションに至るまで、ポテトチップスの開発に長年携わってきたマーケティング本部 マーケティング部 第1課 課長 野間和香奈氏に話を伺った。
野間 2016年に新社長 佐藤が就任し、さらにフレンテが湖池屋に集約したことを機に、社として何か代表的なものを作ろうとプロジェクトが立ち上がりました。そこで、創業時のポテトチップスの作り方をもう一度見直して、現代における最高においしいポテトチップスが提案できないかと考えたのです。
こうした中で目を付けたのが、当社のお客様相談室に寄せられる不満の声でした。特にパウチタイプの商品は「開封しにくい」「具が出しにくい」といった声が多かったのです。それらの不満点を容器の変更で解消したいと考えました。こうして誕生したのが今回のカップ容器です。
創業者の小池和夫は、本当においしいポテトチップスを世に送り出そうと、ジャガイモと向き合い、自宅でジャガイモを切ったり揚げたりという工程を繰り返し行っていました。その精神を我々ももう一度掘り下げて、ポテトチップス作り とは何かを見つめたのです。
当社創業の地である目白の自宅兼作業場では売れる量だけを作っていましたが、より多くの人に食べてもらいたいと成増に本社・工場を移転し、日本で初めてポテトチップスの量産化に成功しました。
優れた機械がない中でも、ジャガイモの特性を生かして作られたポテトチップスは「本当においしかった」と当時を知る人は口をそろえて懐かしみます。そこへもう一度立ち返り、本当においしいポテトチップスとは何かを追求すべきではないかと感じたのです。