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食品新製品トレンド記事 この人とマーケティング
しゃぶしゃぶが若者を中心に人気を集めている点に着目し、かつ、しゃぶしゃぶの不満点を改善すべく、エバラ食品工業が今秋冬に向けて提案した「なべしゃぶ」は、“鍋” と“しゃぶしゃぶ” のよいところを組み合わせたハイブリッド型鍋つゆ商材だ。
これまでの鍋とは違う、「香味油」と「酸味」に注目し、いかに肉も野菜もおいしく食べられるか、日常メニューとして受け入れてもらえるかを、開発畑一筋で培った知見と斬新なアイデアで、新しいしゃぶしゃぶの形を提案。
開発までの道のりと商品の詳細を商品開発部 家庭用商品開発第一課 担当課長 枡田恵理子氏に、若年層を取り込むための新しい販促手法についてマーケティング本部 マーケティング部長 御厨貴志氏に話を伺った。
御厨 “つけダレいらず” のコンセプトを持つ「なべしゃぶ」シリーズは、鍋としゃぶしゃぶのよいところを掛け合わせた、これまでのしゃぶしゃぶの概念を覆す商品です。特別な日に食べるイメージが強かったしゃぶしゃぶを、もっと気楽に、そしてオシャレに食べていただけるようなメニューとして開発しました。
御厨 特別な日に食べるメニューとして少し敷居の高いイメージがあったしゃぶしゃぶですが、実は最近、若い女性を中心に人気のメニューとなっているのです。さまざまな味わいを選べるつゆや食べ放題を売りにした外食店が多く出店し、ファミリー層だけでなく、女子高生などが学校帰りに訪れ、その様子をSNSにアップするといった新しい 客層やカジュアルに楽しむ方が増えています。
一方で家庭のしゃぶしゃぶはというと、これだけ鍋つゆが変化を遂げてきたにもかかわらず、過去20年を振り返ってもほとんど進化していません。また、当社の調査によると、食べる際に「ごまだれ」や「ポン酢」など複数のたれを用意するのが面倒、しゃぶしゃぶは味が淡泊でご飯がすすまないという意見も聞かれました。
こうした不満点があるものの、冬場における食卓登場頻度は、キムチ鍋よりも高いという人気ぶりです。お肉をおいしく食べる提案をしている企業として、消費者の声に応えつつ、家庭のしゃぶしゃぶも進化させていかなければと感じ、①つけダレの不要な、②ご飯がすすむような味わい豊かな、しゃぶしゃぶつゆの開発に着手しました。