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食品新製品トレンド記事 この人とマーケティング
日清食品の創業者・安藤百福氏が発明した、世界初の即席麺「チキンラーメン」が、今年8月25日で発売60周年を迎えた。今や世界食となった即席麺だが、特に袋麺は長きにわたり愛され続けているからこそ、そのユーザー層もシニアへと移行し、それに伴い市場が縮小傾向にあるのが現状だ。
袋麺の市場活性化を目指し、2017年より新たな取り組みとしてシニアに向けた提案「お椀で食べる」シリーズを上市したところ、大変好調な動きを見せている。同シリーズの誕生経緯から販促活動までを、マーケティング部 第3グループ ブランドマネージャー 藤井威氏に伺った。
藤井 即席麺が誕生して今年で60周年を迎え、即席麺市場全体は右肩上がりで伸長し続けています。しかし内訳をみてみると、手軽に調理して食べられるカップ麺が誕生してからは、袋麺市場は縮小しているのが実情です。即席麺の生みの親である当社としては、この状況をなんとかしないとならないと考え、袋麺市場の活性化、ひいては即席麺全体の市場を盛り上げるためにも、袋麺をこれからどうしていくべきかといったテーマを掲げました。
その中で目を付けたのが袋麺のユーザーです。即席麺誕生から60年が経過したことで、そのユーザーも共に年齢を重ね、高齢化しているのです。しかし、袋麺を支えてくれている彼らを大切にすることこそが、市場活性化に繋がる最も重要な取り組みではないかと気が付いたのです。
シニアになるとどうしても食が細くなりますので、量の多い商品は敬遠しがちです。しかし彼らに即席麺から引退させないような方法とは何かをテーマにライフスタイル調査を進めていきました。