目次
- 10円でこんなにおいしいチョコが買える!?
- 自分たちが楽しいと思う商品を
- 駄菓子屋からコンビニへシフト
- ビックリさせる味作り
- 驚きはパッケージやキャンペーンにも!
1.10円でこんなにおいしいチョコが買える!?
チロルチョコ株式会社は、もともと福岡県田川市の菓子製造業を営む製菓会社、松尾製菓株式会社から発祥したものである。その創業は1903年(明治36年)と古い。
1962年(昭和37年)になり、チョコレート部門を新設させると同時に「チロル」のブランド名を付けるようになった。当時ではまだ高級品であったチョコレートを、独自製法により、1つ10円という価格での発売に成功させたのだった。当然、またたく間に子ども達の間で愛好され、手軽でおいしい菓子として人気を博した。
昭和48年になると、東京営業所を開設。九州を拠点にしていた営業も全国区へ広がり始めていた。平成15年には創業100周年を迎え、翌年には現在のチロルチョコ株式会社として社名を変更(企画・販売部門を独立)。社名になるほどの看板製品が生まれた、という事由を裏付けている。
ちなみにチロルチョコの名前の由来は、オーストリア西部・チロル地方によるものだ。「チロル」という語感も呼びやすく、評判が高い。チロル州の美しい自然に囲まれた風景と、どこまでも広がる青空の澄みきった空気に満ちた高原地帯、アルプス山脈を間近に臨むその地域で暮らす人々の素朴さ……そういったチロル地方ならではのイメージ全てを表現したようなお菓子でありたいと、いうのがそもそもの始まりだそうだ。
ゆえに発売当初のパッケージには、チロル地方の民族衣装・チロル帽をデザインしたり、のどかな山間の風景写真が取り込んだりしたそうだ。
実は形も、当時の製品と、現在流通しているいわゆる“正方形”の製品とは違う。もともとチロルは3つの山形(ブロック)をしていた。今、「ミルクヌガー <復刻版>」として発売中で、1個30円にして香ばしいピーナッツが練り込んだ懐かしい味わいが楽しめる。
当時はこの長方形の商品を10円という価格で発売していたが、物価高騰の折り、1970年代の間に20円、30円にと価格の改訂を余儀なくされた。だが売上げが低迷したため、原点の10円に立ち返ろうと、1979年(昭和54年)には“3つ山”を“1つ山”に分割し、再び10円での販売を開始。これが現在も継承されているわけだ。
つまり「チロルチョコ」の登場は、1962年と1979年の2回あると言える。そして、2回目の登場からちょうど来年で30周年を迎えるほど、ロングセラー商品に成長したのだった。その間には「きなこもち」の爆発的ヒットも多大な貢献となったが、チロルブランドの確立は、同社ならではの“遊び心”を大切にする開発精神が要となっている。
