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食品新製品トレンド記事 この人とマーケティング
先人の知恵や工夫、地域の特性が大変多く詰められた魅力的な食のひとつ、郷土料理。地域の方々が普段から口にしている常食であるが、近年は継承者不足や食生活・食文化の変化とともに、その影が消えつつある。一方で、地方や観光地を訪れると、地域特有の食品が並んでいるのも事実である。
地元住民への郷土料理の再認識も含め、その良さを見直そうと働きがけが行われている中、ここ数年で全国的に飛躍的な人気を集めているのが「山形のだし」。無名であった漬物だが、社員のたゆまぬ努力と熱意、そして郷土への深い思いが、県外の小売店での販売を広め、ヒットに繋げるカギとなった。
「山形のだし」開発のいきさつや販促活動、今後の戦略などについて、専務取締役 阿部光明氏に伺った。
阿部 だし”はもともと、山形県でも月山を挟んだ内陸側の地域で食べられていた家庭料理でした。
それまでは弊社でも、代表的な漬物である、ナスやピンク色をしたアツミカブなどを製造・販売しておりましたが、新入社員からの“古くから受け継がれてきた郷土料理を全国へ広めたい”という積極的な提案により、「山形のだし」の商品化が決まりました。
古くから食べられていた家庭料理であり、キュウリ、ナスをメインに、ミョウガ、シソといった薬味、うまみを高める昆布などが細かく刻んで漬け込まれ、一度に何種類もの野菜を摂る事ができる、大変優秀な浅漬けです。98年に開発を始め、00年春より発売開始となりました。