home > 食品新製品トレンド記事:我が社の商品開発 > タマノイ酢株式会社


食品新製品トレンド記事 我が社の商品開発


「わが社の商品開発」は、各食品メーカーの新製品開発経緯について、まとめたものである。 過去1年程の間に発売された商品やシリーズ(業務用を除く)の中で、特に注力している商品について市場背景、 販促活動、配荷状況、今後の方向性等詳しく話を聞いた。

タマノイ酢株式会社
「ヘルシー穀物酢 500ml PET」

タマノイ酢株式会社は、今年で創立104年目を迎える。100周年を迎えた07年には 大阪に新社屋を竣工。世界で初めてお酢の粉末化に成功した「すしのこ」や、“飲む黒酢”の先駆け的存在になった「はちみつ黒酢ダイエット」など、数々の製品を市場に送り出している。

そのタマノイ酢が、昨年9月1日に「ヘルシー穀物酢500ml PET」を発売した。同品は、03年に発売し好評を得ているソムリエの田崎真也氏監修の醸造酢・調味酢シリーズのひとつ。大きな特徴は、瓶製品が当たり前の食酢業界において“ペットボトル容器”を採用したことだ。

これにより、軽くて、エコにも貢献でき、同時に高齢化社会にも対応できるという、地球にそして人にも優しい製品が出来上がった。

新たな酢の可能性を導き出している同社が、また新たな切り口で打ち出した商品の動きに注目が集まっている。

同社社長室ドリームクエスト課長の水野喜久子氏、同・広報担当髙安千尋氏、同・丸山鉄平氏に開発背景について伺った。

目次

  1. 既成概念にとらわれず消費者に選んでもらえる製品を
  2. 小麦を使わないアレルゲンフリーの穀物酢
  3. 情報をお互いに“共有”し部門間に壁のない環境づくりを
  4. 社内で医者など“食”に繋がる専門家を育成中
  5. 番外:タマノイ酢がweb事業に進出?!

1.既成概念にとらわれず消費者に選んでもらえる製品を

新製品の開発といえば専属の部門が一般的だが、タマノイ酢では、全部署・全社員が企画の提案が出来るという。必要に応じて部門間を超えたプロジェクトチームを立ち上げたり、オフィスのあちこちで熱い議論を交わしているのが同社の日常なのである。

「今、市場で求められていることは何だろう?」 市場の“当たり前”にとらわれず、新たな価値の探求を社員一人一人が常に心掛けているのだ。

今回紹介する「ヘルシー穀物酢 500mlPET」もそんな、同社ならではの開発姿勢の中から生み出された商品のひとつだ。

開発背景としては、市場での価格競争激化が進む中、 健康志向を背景に酢の購入量は増えているものの、購入にかける金額は下がっているという現状があった。

そこで価格の安さ以外のところで新しさや価値を感じられ、他商品との差別化を図ることで、消費者に「これ!」と選んでもらえるように、と考え出されたのが本品だった。

瓶製品が一般的な中、容器の軽量化を目的に、ペットボトル入りの酢(以下『PET』)製品の開発がスタート。

すでに業務用では「ヘルシー穀物酢 1.8LPET」を手掛けていたが、家庭用として一般的に購入される500mlサイズでの『PET』製品の本格参入は今回が初めて。エコや少子高齢化を考慮した上の結論だった。

「『PET』製品は視覚的にライトに見えるため、形・素材を含め、瓶と並べた時に違和感のなく見えるように工夫しました」と開発のポイントを水野氏は話す。

こうして出来上がった「ヘルシー穀物酢500ml PET」の最大の魅力は、その軽量感。従来の瓶入りの穀物酢と比較して1本当たり約200gも軽くなり、1ケース(20本入り)にすると約4kgも重量が軽減される。

バイヤーをはじめ、購入者などからも「軽くなり便利になった」との声が多く、発売後は順調な導入と販売となった。また、輸送車のCO2排出量削減にもつながり、環境問題にも貢献している。

丸山氏は「『PET』製品を購入することで、手軽にエコに協力していることになるのです」と説明。

さらに女性や高齢者が一人で買い物する場合、瓶製品を2本以上購入すると持ち運びが非常に大変で、その上、割れてしまうという危険性もあるが、これら短所がなくなることで、消費者にとっての購入メリットが増えた格好だ。

髙安氏は「この1本に関わる全ての方々.運送.店舗.消費者.の負担削減に一役買った商品ともいえます。」と利点を強調する。

ただし今後、醸造酢や調味酢商品群の全てを『PET』製品に変えてしまうわけではない。あくまで、消費者に“選択”してもらうという考えが基本。

水野氏によれば、「醤油や酒、最近ではワインなど、すでに『PET』化されている商品動向をみてみると、やはり運搬や安全面で『PET』の方が便利という考えはあります。

しかし、お客様の中には “いつものこれ!”という感覚をお持ちの方も少なくありません。慣れ親しんだ瓶に関しては、販売店の姿勢と、消費者の反応をみながらという方針です」と話した。



まずはログイン

会員は全情報がご覧になれます。

まだ会員になられていない方

新製品研究会 詳細はこちら


発売日カレンダー

<< 2017年12月 >>

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31